Apsuの靴について
今回はApsuのスニーカーについて、制作行程や使っている薬品について書いていきます。
Apsuの代表作品である『手描き文様スニーカー』は0.7mmのポスカを使用して、一つ一つ丁寧に文様を描いています。
作家活動を始めてから5年で約250足くらい描きましたが、いまだ新たな発見があり面白いです。
では、『手描き文様スニーカー』のEVA colorを例に書いていきます。
1、滲み防止の薬品を塗ります。
EVA colorの靴の元の色は白なので、滲みを抑える為に、
膠 (にかわ) と明礬 (みょうばん) を溶かした
透礬水(すきどうさ) をスニーカー全体に塗り乾かします。
2、ポスカの紫で全体を塗ります。
※ポスカは水性+顔料インクなので、発色がよく、滲みにくく、水に強い(他のペンに比べて)です。
3、文様を描きます。
Apsuの文様は約30種類のシンプルな文様を組み合わせて、複雑にしていくのが特徴です。
EVA colorは、5色(紫、橙、水色、黄緑、黒)を使用しています。
文様を描く時に使用するポスカ極細(0.7)はペン先がプラスチックなので劣化しにくいです。
他にも布用ペンはあるのですが、ペン先が太いので細かい表現には適していません。
4、描き終わったら、アイロンで定着。
最初はアイロンのみ、その後、アイロンのり(とくにオススメはありません)を塗布して再度アイロンで定着させます。
5、乾いたら薬品を塗ります。
リキテックス/ツヤ消し保護用ニス パーマネントマッドバーニッシュを水で薄めたものを塗ります。
分量はパーマネントマッドバーニッシュ3の水7です。
この薬品を乾燥させながら3回塗ります。
パーマネントマッドバーニッシュの分量が多いと乾燥後に白っぽくなりますので、気をつけてください。
5、スプレータイプの薬品を塗布。
合成樹脂をエチルアルコールで溶解した定着液 スプレー フィキサチフを塗布します。
合計2回、塗布します。
6、スプレータイプの家具用ニスの透明クリアーを塗布。
ワシン/ウレタン油性ニススプレーを塗布します。
塗りすぎると白っぽくなるので、靴から離した状態で薄く何度も塗布します(たまに失敗します)。
7、防水スプレーを塗布します。
ヘンケルの防水スプレーがオススメです。
この7つの行程を経て、完成です。
時期によりますが、制作日程は1週間から2週間です。
6種類の薬品を使っていますが、これは「販売」の為で、個人で作る場合はアイロン、ウレタン油性ニススプレー、防水スプレーくらいで良いと思います。
色落ちしないように薬品を使っていますが、履いているうちに色落ち、靴底の擦り減り、ソール部分と布部分の剥離がおきます。
その場合は、すべて無料で補修します。
皆様のご注文をお待ちしています。
よろしくお願いします。
Apsu web store
そして、手描きスニーカーの制作を試してみたい方は上記の行程で挑戦してみてくださいね!!
ちょっと面倒ですが楽しいですよ。