88+tao-la!!について
Apsu作品において、原点であり、最高傑作である作品、
それが88種類108匹の動物壁画『88+tao-la!!(ハチジュウハチタオラ)』です。
2011年後半、作家としてまだ作風も決まっていない中、
勢いだけで描き、模索し、挑戦した作品です。
この作品のおかげで、Apsuの文様のスタイルが決まりました。
49日間、毎日10時間以上もただただ壁に向かい、描き続ける。
壁と絵と肉体の境が混じり、沢山の風景が見えました。
ここ数年のヘルニアはこの作品のせい!!
なぜ「88」かと言いますと、自分は十代の頃、高校を中退して旅に出ました。
密教に興味を持っていた当時の私が旅先に選んだのが日本最大の祈りの場である四国88箇所巡礼でした。
『88+tao-la!!』は徳島のデザイン事務所に描かさせてもらった作品なので、作品に何かしらの意味合いを持たせたく、「88」という数字を選びました。
2週間くらいで終わると思ってたのに、、、49日間もかかった。
それも、88種類描いたら、偶然108匹になってたオマケつき。
祈りも煩悩って事ですかね。
作業の中、沢山の方々に支えてもらいました。
毎日、合計15人のカメラマンさんが代わる代わる撮影に来てくれたので、
写真が沢山あります。
一部をアップしていきます。
まずは1日目。
冬だったので寒かった。。。
型紙で全体のバランスを見る。
オーナーさんが暖房器具を買ってくれたので薄着でも作業出来るようになりました。
ポスカにて制作しました。
おそらく100本以上のポスカを使った。
ポスカと会話が出来る様になった気がする。
ポスカを冷蔵庫に入れたり、カイロで暖めてご機嫌をうかがっていた(インクの滲み具合を調整出来る)。
身体中、湿布だらけ!
後半は指が動かなくなり、テーピングしながら描いていた。
徳島といえば、アニメフェス『マチアソビ』。
製作中にも開催していたので遊びに行った。
よく見たらアニメグッズいっぱいでしょ?
ほとんどが遊びに来てくれた人からのプレゼント。
製作中、毎週、まどか☆マギカを楽しみにしていた。
無理な体勢で描く事が多く、立てなくなる事もあった。
完成。
そして、この88+tao-la!!はデザイン事務所の移転の為、
6年間の展示を終えて、真っ白になる事が決まりました。
寂しい、悲しい、そういった気持ちもありますが、
なぜかスッキリとしています。
この6年間の間に、88+tao-la!!の制作もサポートしてくれた恋人は妻となり、
子供も産まれました。
先日、どうしても息子に見せたくて、徳島へ行ってきました。
88+tao-la!!の前で遊ぶ息子を見て、『これで完成だな』と思いました。
88+tao-la!!は無くなりますが、おそらく、それも1つの完成なのでしょう。
動物達はここから離れ、新しい物語の渦に旅立ち、道を作る事でしょう。
また、動物達を壁に描けるよう頑張ります。
ありがとうございました。
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